“ 夢にまで見た日を 今日というその日に ”

 

 

いつか来るだろう日。

 

いつか来てほしいと願っていた日がきた。

 

 

願いながらも本当にそのときが来たらどんな気持ちになるのかは想像もつかなくてね、もともと不思議な距離感を保っていて、死に物狂いで追いかけていた10年弱。一度離れよう、と決意し冷めたわけではない気持ちを抱えながら離れたこと。結婚、子育て、紫耀くんに出会うなかで追うことはしなくなった。でも一般的なファン、よりは少し特別な気持ちを抱いた、不思議な距離感。今は恋に似たすきの気持ちは持ち合わせていないけれど、いちばん苦しかった時期にずっとずっとそこにいてくれた人。生きる意味をくれた人。それはもう家族みたいな、一方的だけど私にとって彼はそのくらい当たり前で大切でしあわせでいてほしいひとだった。

その彼が結婚した。

 

 

 

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白いドレスとタキシード
一緒になろうか 次の秋にも
このまま終わるとしたら 寂しいよ
だからもう 一緒になろうよ秋にも

 

今までとは違うこの今晩を
経たら先に待つどんな困難も
例え問題を抱え込んだとしても 心配など勿論ないよ
部屋より何より苗字を共にし
夢にまで見た日を今日というその日に
限りない愛を 毎夜毎夜愛を
あなたを包み込むの まるで蚕

 

庭には大きな犬がいて
娘に大きなキス抱いて
それじゃあ二人寝るとしよう
一緒に同じこれからの夢を見よう

 

父と母にまず大きな感謝を
あなたに今伝えるなら何だろう
なんかもう言葉じゃなく感謝と
I love you forever …

 

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2006年。まだまだ若かった頃、ソロコンで聴かせてくれた彼の作ったウェディングソングの一部。

 

おとといニュースをきいたとき、真っ白になった頭の中、「あ、本当に秋だ」なんてふと何年かぶりにこの曲を思い出した。

 

 

ずっとずっと家庭を持ちたいって言っていたひと。

真面目でまっすぐで礼儀を大切にする、大きな愛をもったひと、そして自分に厳しいひと。

きっと自分のしあわせは後回しにしてしまうひと。

 

わたしは当時、彼のそばにいられたらなんて願っては叶うはずのない現実に泣いたりしていたけれど、アイドルとして成功していった当時の彼にとって結婚したいと願うこともまた、おなじくらい叶うはずのない願いだったのかもしれない。

 

 

前にTwitterにも書いたことがあるけれど、戦地にいるこどもたちや理不尽なおとなたちへの想いを歌にこめたりしていた彼はずっと報道関係がやりたいと口にしていて、それが叶った2006年。今では珍しくなくなったキャスターをするアイドル。それを切り開いたひと。風当たりも強かったなか、誠実に努力を積み重ねることで得てきた信頼。(すこし距離のあった村尾さんが、君はすごい!と褒めてくれた瞬間うれしかったな)少しずつ広がるお仕事の幅。そしてオリンピックキャスター。でも本業はアイドル。ツアーだってドラマだってレギュラー番組だってある。アイドルであることが彼の夢の足枷になりはしないのかと不安に思った。いつか、今は違くてもいつか、アイドルではない自分の夢に挑戦したくなるんじゃないか。仲の良い友だちの子どもを可愛がっていること、本人も子どもがだいすきなこと、早く家庭を持ちたいと言っていること。移り変わるファンの子をよく覚えていること。ファンの子が結婚していく姿にも気がつくこと。それをみて冷静になって何を思うのか。怖かった。アイドルであることは彼のしあわせを奪うことになっていないのか。

 

でも。休止することになって、続けたい、また会える、としきりに伝えてくれて、彼のアイドルであることの誇りをすごく感じた。嬉しかった、本当に。そこにいたい、と言ってくれることがどれほどしあわせなことか。アイドルだから諦めたことだって、アイドルだから傷ついたことだってきっとたくさんあるよね。それでもそこにいてくれること。いままで届けてくれた想いたちを信じていいこと、疑わなくていいこと。それって本当にしあわせなことだと思う。どこまでもファン想いなひと。

 

結婚を知らせる言葉選びだって、どこまでもファンのため。もちろんそれがあるのが悪い訳じゃないけれど結婚の決意とか幸せな家庭を築きます、よりただただファンと周りの方への感謝。そしてさらには同時発表。どこまでもやさしいひとたちだなぁ、と思った。あぁだいすきだった人だ、と思った。

 

 

あの日、嬉しかっただろうな、しあわせだっただろうな。

なにより、彼女さん。付き合いながらどれほどの不安と痛みと戦ってきたのだろう。先の見えない不安、撮られてしまう恐怖、好き勝手噂されるSNS、他言できない苦しみ、ファンの子の夢と想い。きっと想像もできないほど。プロポーズされたとき、どれほど嬉しかっただろう。伝えることのできた彼もどれだけしあわせだっただろう。その決断ができたことがうれしい。自分の幸せを、自分の世界のしあわせを大切にしてくれたことがうれしい。今までたくさんたくさんありがとう、見えないところでたくさん悩んでくれてありがとう。

 

 

斗真くんの結婚のときは正直いうとすごくダメージを受けて(特に彼と関わりがあったわけではないのにね)、お似合いだとお祝いされる雰囲気が苦しくておめでとうを言えない自分に苦しんだりしたから、きっとその人との距離感が近すぎても遠すぎても苦しい気持ちや寂しい気持ちを与えたりするんだろうなぁと思う。わたしもきっと紫耀くんがいなかったらおめでとうを言えない自分に苦しんでいたかもしれないし、他の人だったら紫耀くんに重ねて苦しくなっていたかもしれない。ただ、わたしはとてもとてもとてもうれしい。嬉しいと思えることがまたうれしい。婚姻届を書いただろう姿も、これからいろんなしあわせな瞬間が訪れるだろうこともひとつひとつ想像しては涙が出る。これは間違いなく嬉し涙。彼はしあわせなんだ。本当にうれしい。うれしくてうれしくて涙がこみ上げるなんてなかなかない。彼を応援していたことがこんな気持ちまで連れてきてくれるなんて、わたしはあのとき彼のファンになれたこと、本当にしあわせだなぁと改めて思った。

 

 

これからだってきっと大変なことはたくさんあるだろうけれど、そこがそっと守られたあたたかい場所でありますように、と祈りを込めて。でもきっと大丈夫。守るべきものが増えた彼はきっとさらに強くなる。

 

 

どうかどうかおしあわせにね、しあわせでいてね。

 

結婚おめでとう、翔くん。